2020年6月11日木曜日

取材レポート07

三上製材所

取材レポート06

木族工房:永井將人さん


取材レポート05

株式会社ハルキ
http://mori-haruki.co.jp/

2020年6月11日(雨) 10時〜14時

木造建築物の材料を(設計図に基づいて)提供するのが、製材業の仕事です。「工場」というかたちからイメージされる仕事内容は、丸太から柱や板を切り出す、という作業的な部分でしょう。しかし実際には、一本一本性質の異なる木材を設計者の意図通りにかたちを整え、現場で正確に組み立てられるように準備する、専門性の高い仕事です。森や林から切り出された木材が、建物の一部として機能するよう加工されるまで、様々な職種の人たちが関わって成り立っています。
今回は4人の若手社員に、仕事内容や会社の魅力についてインタビューしました。

製造部 プレカット工場 CAD 
佐々木さん(2019年度入社)は、札幌出身。北海道芸術デザイン専門学校で木工を学び、卒業後に森町にやってきました。
入社後半年間は工場研修。ここで製材業の仕事の流れを学んだ上で、CADチームに正式配属されました。工場では、木材の見方や材料としての基準などについて、ゼロから全部教えてもらったそうです。CAD部門でも、専用のCADソフトの使い方など、先輩たちから熱い指導を受けて1から学んでいるます。「入社してすぐできる仕事は少ないけど、居れば居るほどできるようになっていくことに、やりがいを感じる」と彼女はいいます。
入社前は、「木を切る」ということに罪悪感というか悪いイメージを持っていたそうです。しかし、林業・林産業の意義について理解し始めた現在は、「いい事してるかも!?」と思えるようになったと言います。また、外から見ると様々な大型機が作業をしている工場のイメージで、人は何をやっているんだろう?と疑問に感じたそうですが、「機械も人がいないと機能しない」と、林業・林産業に専門家として関わる自覚が芽生えてきている印象を受けました。
単身ポツンと森町にやってきた佐々木さんですが、この会社は人も多いので一人でも困らない、とのこと。「休憩室にいけばすぐ話しかけてもらえるし、徐々に慣れてきたことで話せるようになった人もいます」と、楽しそうに語ってくれました。
森町の暮らしについては、「意外とお店がいっぱいあります。チェーン店じゃない食べ物屋さんがたくさんあるので、その開拓も楽しいです」と、生活の場としても満喫しているようでした。


製造部 加工工場
松浦さん(2015年入社)
高校時代の友人が先にここで働いており、彼から木材関係の仕事の面白さを聞いて、ハルキへの就職を決めたそうです。5年間勤めて感じる会社に魅力について、松浦さんは、「工場での仕事は期限までに依頼された材料を揃えなければならないという大変さはありますが、みんないい人ばかりなので楽しく仕事ができている」そうです。
プレカットの仕事は木材に様々な加工を施すため、特殊な加工の材料ができるように練習し、自分のものにしていくところが難しいものの、物作りが好きな自分にとっては木を切ったり加工したりする楽しさを実感している、とのこと。現在の担当は製材された後の工程になりますが、将来的には製材などの前工程の仕事にも興味があるそうです。
いま株式会社ハルキは、会社が徐々に拡大し、働く人も増えていて、今後が楽しみだと語っていました。



製造部 プレカット工場
西村さん(2005年入社)は今年度、33歳にして工場長を任されることになりました。図面に合わせて材料を加工する製造ラインの一つを、責任者として任されています。
取材している時は、柱に使われる角材の加工をしているところでした。一本一本、材料の曲がり具合を確かめて、図面で示された位置に合った向きを決めて、機械に流し込んでいきます。図面が読めて、材料が読めて、施工現場でその材料がどうなっていればいいかを想像できる。そんなスキルが求められる仕事です。先輩に教わる以上に、せんぱいの自分で任されるまで3〜5年かかるそうですが、その価値が十分に感じられました。
図面で材料の使われる位置を確認し、どの向きに加工すればよいかを判断します。
樹種、材質、用途などを理解した上で材料の曲がりを一本づつ確認して、瞬時にその材の特徴を掴み、適切な向きに整えて、機械に送るこむ。かっこいいです!

製造部 製材工場
堀さん(2015年度入社)は、木材の乾燥処理を担当していますが、必要に応じて木取りの作業も手伝うそうです。
森町出身で、ずっと地元で働ける仕事を探して、この会社に転職しました。林産業の奥深さを知ったのは、入社してから。丸太に品質がある、と知って驚いたそうです。普通では体験できないことができるのがこの仕事の魅力。重機の運転もその一つ、と語ってくれました。
このラインでは、一本の丸太を一度に製材する機能を持った機械が稼働しています。
最初にセンサで丸太の寸法を計測し、指定の材料をどのように切り出すかを設定すると、その通りに加工していきます。外からはあまり見えませんが、林産業のハイテク化もどんどん進められています。

あいにくの雨天でしたが、乾燥機から取り出した木材を保管場所に移動する作業を実演してもらいました。フォークリフトを颯爽と動かす堀さんの姿は、かっこいいし楽しそう!

(文責:原田泰)