2020年12月13日日曜日

「Connect∞もり」の看板を作る part-2

 2020年12月13日(日)9:00-12:00
参加者:Sさん、Aさん、Y先生、下沢、伊藤、原田、佐藤
場所: Connect∞もり

昨日立てた計画を参加者で確認し、活動開始です。
早速、計画に基づき、デッサン「あ」をやってみます。
まずはモチーフのセッティング。
持ち寄ったモチーフはドライフラワー、玉ねぎ、そしてドラゴンのパペット人形。この中から、ドラゴンの人形を選択し、部屋の中央に置いてみました。描く場所を決めたら、デッサン開始です。
最初にちょっとだけアドバイスをしました。
・うまく描くこと、正確に描くこと、は求めていない
・対象をしっかり観察して、その輪郭を鉛筆の線でなぞる
・形をなぞりながら、いろいろな発見をしてほしい
・表現すること、観察することを楽しんでほしい

約50分、みんな無言で、表現に集中していました。
ここで一区切り。出来上がった表現を並べて、みんなで観賞会です。
自分とモチーフとの対話の後は、表現物を媒介に他の表現者とのと対話です。大学生の二人がとても良いファシリテーションをしてくれました。
さて、ここでもう一つのお楽しみ、おやつタイムです。本番(!?)ではデッサン会と並行してケーキ作りを計画していますが、今日は市販のお菓子で、コーヒーブレイク。
デッサンの勲章は洗い流し、おやつを盛り付け。
スケッチの余韻を味わっている裏で、某番組の某コーナーに倣って作品を映像化しました。


せっかくなので、他の人の作品にも付箋を使ってコメントしよう、ということになりました。
ことばに出してうまく伝えづらかったことも、文字にすることで相手に届けることができたようです。

さて後半は、ここまでの経験も活かして、Connect∞もりのシンボルマーク制作に入ります。
まず、ここまでの活動の振り返り。

実際に活動してみて感じた価値や魅力を出し合い、昨日作った活動計画シートに書き加えました。「絵を描くのは得意じゃなかったけど、観察だと思ってやってみたら色々発見があった」「付箋にコメントを書いて貼るのはとても良かった」など、実際にやってみた経験から出てくることばが印象的でした。
そして、これらから、シンボルマーク制作に生かせそうなキーワードを拾い上げていきます。

今回の実践/体験は、この場を活用するための無限にある可能性の中の「点」のような小さなものでしたが、この場を象徴するような活動のかたちが見えてきました。
これらを手掛かりに、Connect∞もりのシンボルマークを考えます。
ここでまた、プチアドバイス。
・シンボルマークには大きく二つのパターンがある。ひとつはシンボルマークに名前を添えるパターン。もうひとつは、名前の文字の中にメッセージを埋め込むパターン。両方の切り口で、まずはたくさん考えよう。
・大抵の表現は、もう誰かが考え出して使われている。だから、たくさん考えてそれを超えるものを産み出そう。

まずは、個別にイメージを表現してみます。

途中で一旦、掲示して全体を眺めてみます。それぞれどんなことを考えて表現したか説明しました。そして第2ラウンド。
今度は、シート1枚に表現1点ずつ、大きく描いていきます。
そして再び、壁に貼って全体を眺め、それぞれの考えとアイデアを発表しました。それぞれ、かなり具体的な表現に落とし込まれています。・・・と、ここで終了予定の時間。

「もうちょっとやりたいね」という提案に力強くうなずく高校生たち。延長戦として、12月20日(日)9:00-12:00に第3回を開催します。乞うご期待。

次回までの宿題として、世の中の様々なシンボルマークを色々調べて、「これはいい」「参考にしたい」という事例をひとつ以上見つけて持ち寄り、発表してもらおうと思います。

2020年12月12日土曜日

「Connect∞もり」の看板を作る part-1

森高生と森部のコラボで、「Connect∞もり」の看板制作を行います。
当初は、「3時間×2日間で、看板を作る」という作業的なイメージで始まったプロジェクトですが、せっかっくなら本気でデザインしよう、ということになり・・・。

事前の打ち合わせの中で、せっかくの機会なので、ただ看板を作るのではなく、本気のデザインのプロセスを体験してもらいたいね、という方針でこの活動を進めることになりました。

12月13日(土)9:00-12:00 天気:晴れ
会場:Connect∞もり
参加者:Sさん、Aさん、Y先生、下沢、原田、佐藤、寺澤

今回参加してくれたのは、森高の3年生Sさんと、2年生Aさんのふたり。大人に囲まれて緊張気味です。
まずは自己紹介。参加の動機とともに、普段の活動や興味などを紹介してもらいました。
Sさんは美術部、Aさんは茶道部。今年はコロナ禍で全然活動ができていないよう。今回は、「ボランティア活動」の流れで、面白そうだからと参加してくれたそうです。

看板制作に向けて、最初に佐藤さんから、この「Connect∞もり」への熱い(!?)思いを語ってもらいました。
これを受けて、いきなり看板の表現には進まずに、まずはこの場所でどんなことができそうか、どんなことがしたいかをそれぞれで妄想してみることにしました。
まずは雑談レベルで、いろいろ話をしながら、イメージを膨らめていきます。そしてイメージが具体的になってきたところで、付箋にそのイメージを言葉や絵を使って表現してみることにしました。
表現してもらった内容を語ってもらったところ、高校生たちのストレートな「やってみたい」がその中に込められていることが、ひしひしと伝わってきました。
Sさんの「絵を描く時間」、そしてAさんの「お菓子作り」。どちらもConnect∞もりで実現可能です。みんなでモチーフを囲んでデッサン会。スポンジから作り始めるケーキづくり。「いいねぇ」「やってみたいねぇ」と盛り上がりました。
当初の予定では、ここからConnect∞もりのシンボルマークデザイン、そして看板作りへ・・・、と進める予定でしたが、ここで止めてしまうのはもったいない。「実際にやったらどうなるか、試してみようよ!」と促してみました。
モチーフ用の台を中央に置いて、5人で囲んで座ってみると・・・「これはいける!」。
今日は活動予定時間のリミットが迫っているので、明日、実際にやってみよう、ということになりました。
サクッと明日の活動計画を共有して、今日は終了。
高校生たちは図書館によって、お菓子作りの本を探しに。スタッフたちは明日の段取りを確認して、解散となりました。

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アドバイザー原田のつぶやき
今回、高校生には「看板制作」をテーマに参加してもらいました。しかし、いざ看板を実際に作ろうと思ったら、決めなければいけないことがたくさんあります。それを主催側で予め準備してしまったら、高校生たちがやれることは作業だけになってしまう。これはもったいないよなぁ・・・ということで、短時間でも「プロが進めるプロセス」を味わってもらおうと活動プログラムを考えました。目的遂行として「看板作りに来たのに」と思ってしまうと、「なんでスケッチ?」とか「なんでお菓子作り?」という気持ちになってしまいます。でも、世界は因果関係だけはできていないのです。あのことが、こんなことに役立った、というような経験的な学びは人生の中に山のように埋め込まれています。とくに今回、参加してくれた高校生たちが未来のConnect∞もりの利用者にもなるわけです。ですから、自分たちが使うんだから、自分たちが使うなら、という気持ちから無に出される看板(シンボルマーク)をこの施設につけたいと思いました。
もうひとつ、現代社会は「計画→実行」を強く求める傾向にあります。しかし、創造的な活動は、計画的にはできません。もちろん始まりの時点で計画は立てますが、目的は計画を正確に遂行することではなく、何か新しいものを創造することです。質の高いものづくりには、やりながら考え、試しながら焦点化させていく、という柔軟性が必要です。そのような学び方も、経験して視野を広げてもらえたらと、願ってこのプロジェクトを進めています。

2020年6月11日木曜日

取材レポート07

三上製材所

取材レポート06

木族工房:永井將人さん


取材レポート05

株式会社ハルキ
http://mori-haruki.co.jp/

2020年6月11日(雨) 10時〜14時

木造建築物の材料を(設計図に基づいて)提供するのが、製材業の仕事です。「工場」というかたちからイメージされる仕事内容は、丸太から柱や板を切り出す、という作業的な部分でしょう。しかし実際には、一本一本性質の異なる木材を設計者の意図通りにかたちを整え、現場で正確に組み立てられるように準備する、専門性の高い仕事です。森や林から切り出された木材が、建物の一部として機能するよう加工されるまで、様々な職種の人たちが関わって成り立っています。
今回は4人の若手社員に、仕事内容や会社の魅力についてインタビューしました。

製造部 プレカット工場 CAD 
佐々木さん(2019年度入社)は、札幌出身。北海道芸術デザイン専門学校で木工を学び、卒業後に森町にやってきました。
入社後半年間は工場研修。ここで製材業の仕事の流れを学んだ上で、CADチームに正式配属されました。工場では、木材の見方や材料としての基準などについて、ゼロから全部教えてもらったそうです。CAD部門でも、専用のCADソフトの使い方など、先輩たちから熱い指導を受けて1から学んでいるます。「入社してすぐできる仕事は少ないけど、居れば居るほどできるようになっていくことに、やりがいを感じる」と彼女はいいます。
入社前は、「木を切る」ということに罪悪感というか悪いイメージを持っていたそうです。しかし、林業・林産業の意義について理解し始めた現在は、「いい事してるかも!?」と思えるようになったと言います。また、外から見ると様々な大型機が作業をしている工場のイメージで、人は何をやっているんだろう?と疑問に感じたそうですが、「機械も人がいないと機能しない」と、林業・林産業に専門家として関わる自覚が芽生えてきている印象を受けました。
単身ポツンと森町にやってきた佐々木さんですが、この会社は人も多いので一人でも困らない、とのこと。「休憩室にいけばすぐ話しかけてもらえるし、徐々に慣れてきたことで話せるようになった人もいます」と、楽しそうに語ってくれました。
森町の暮らしについては、「意外とお店がいっぱいあります。チェーン店じゃない食べ物屋さんがたくさんあるので、その開拓も楽しいです」と、生活の場としても満喫しているようでした。


製造部 加工工場
松浦さん(2015年入社)
高校時代の友人が先にここで働いており、彼から木材関係の仕事の面白さを聞いて、ハルキへの就職を決めたそうです。5年間勤めて感じる会社に魅力について、松浦さんは、「工場での仕事は期限までに依頼された材料を揃えなければならないという大変さはありますが、みんないい人ばかりなので楽しく仕事ができている」そうです。
プレカットの仕事は木材に様々な加工を施すため、特殊な加工の材料ができるように練習し、自分のものにしていくところが難しいものの、物作りが好きな自分にとっては木を切ったり加工したりする楽しさを実感している、とのこと。現在の担当は製材された後の工程になりますが、将来的には製材などの前工程の仕事にも興味があるそうです。
いま株式会社ハルキは、会社が徐々に拡大し、働く人も増えていて、今後が楽しみだと語っていました。



製造部 プレカット工場
西村さん(2005年入社)は今年度、33歳にして工場長を任されることになりました。図面に合わせて材料を加工する製造ラインの一つを、責任者として任されています。
取材している時は、柱に使われる角材の加工をしているところでした。一本一本、材料の曲がり具合を確かめて、図面で示された位置に合った向きを決めて、機械に流し込んでいきます。図面が読めて、材料が読めて、施工現場でその材料がどうなっていればいいかを想像できる。そんなスキルが求められる仕事です。先輩に教わる以上に、せんぱいの自分で任されるまで3〜5年かかるそうですが、その価値が十分に感じられました。
図面で材料の使われる位置を確認し、どの向きに加工すればよいかを判断します。
樹種、材質、用途などを理解した上で材料の曲がりを一本づつ確認して、瞬時にその材の特徴を掴み、適切な向きに整えて、機械に送るこむ。かっこいいです!

製造部 製材工場
堀さん(2015年度入社)は、木材の乾燥処理を担当していますが、必要に応じて木取りの作業も手伝うそうです。
森町出身で、ずっと地元で働ける仕事を探して、この会社に転職しました。林産業の奥深さを知ったのは、入社してから。丸太に品質がある、と知って驚いたそうです。普通では体験できないことができるのがこの仕事の魅力。重機の運転もその一つ、と語ってくれました。
このラインでは、一本の丸太を一度に製材する機能を持った機械が稼働しています。
最初にセンサで丸太の寸法を計測し、指定の材料をどのように切り出すかを設定すると、その通りに加工していきます。外からはあまり見えませんが、林産業のハイテク化もどんどん進められています。

あいにくの雨天でしたが、乾燥機から取り出した木材を保管場所に移動する作業を実演してもらいました。フォークリフトを颯爽と動かす堀さんの姿は、かっこいいし楽しそう!

(文責:原田泰)