2021年7月19日月曜日

森高校「リビンングデザイン」授業支援④

2021年7月19日(月)8:30〜11:00 天気:晴れ

今日は森高校との連携授業、第3回。株式会社ハルキさんの工場見学です。
講師は株式会社ハルキの鈴木さん。
今日も森部メンバーは8時30分集合で、会場設営を行いつつ、森高生たちの到着を待ちます。ヘルメットとトランシーバーも用意されました。

・会社概要の説明

まずは株式会社ハルキの事業内容や工場の概要について説明しました。製品や施工例、木育活動など、具体的な事例を示しながら製材業の活動を概観しました。「木を横に切る仕事はやっていません、木を縦に切る会社です」という説明が印象的でした。
ところで、今回の受講生の多くが見学の前から「ハルキ」という会社を知っていて、これはちょっと嬉しい出来事でした。

・工場見学

ヘルメットとトランシーバーをつけて、見学に出発です。今日は湿度も高くて、暑い・・・。
最初に向かったのは、大きな丸太を一本一本、人間が確認しながら板状に切り分けていく工場です。木材は他の工業製品と違って、同じものがひとつもないのが特徴です。従って、加工もそれぞれの材料の特徴を見極めて機械に通す必要がありあます。
そして、次の工場へ。
とても大きな建物の通路を通っていきます。工場の中に入る前に、その奥にある広いスペースや今後の工場増設計画についても紹介されました。
こちらの工場は、コンピュータ制御のセンサーと加工機によって、材料の採寸から設定した形状の材料の切り出しまで自動的に加工できる設備となっています。さっと通り抜けただけだから、何が起こっているか分かりにくかったかな?
製品や材料が保管されたスペースを通り抜けて社屋に戻り、一旦休憩です。
工場見学の後半、最初はCAD室から。
しかし、現在CADチームは多忙な時期で、中に入ることができないため、窓からチラッと覗くだけとなりました。
続いてプレカット工場へ。
プレカットの工程では、板や柱の末端や途中部分に様々な形状の加工を施すことで、各材料が建物としてしっかり組み上がるように仕上げていきます。
ハルキの工場の建物も、様々な形状の木材を組み合わせて作られています。
上の写真は、木造トラスという構造で、柱のない広い空間を実現しています。
かつて大工さんたちが発明して進化させてきた木材同士の繋ぎ方や組み方を、現在は機械で正確に加工することができるよいうになっています。これによって、材料を提供する製材業の役割も、現場で建物を組み立てる大工さんたちの役割も変化してきました。

・木材組み立て体験

さて、本日の授業のメインイベントはこちら。

プレカットされた木材を実際に組み立ててみます。継ぎ目の形状や組み合わせの感触を味わいながら、小さな構造体を組み立ててみます。生徒たちの格闘は映像でご覧ください(5分25秒)。

材料に書かれている文字は、どの材料とどの材料を組み合わせるかを示した記号です。一つひとつ性質の異なる木材を正確な形に組み上げるための工夫です。今回も途中で材料がうまく噛み合わなくなり、組み合わせが間違っていることが発覚、一旦バラして組み直す、という一幕がありました。こういう経験も、実際にやってみないとわからない、モノづくりの知恵ですね。

今回の授業はここまで。
約2時間ほどの短い工場見学でしたが、普段自分たちが生活している建物構造や完成までの行程について、少しでも興味を持ってもらえれば幸いです。

さてこの授業も次回で最終回。少し間が空いて、8/23(月)となります。お楽しみに。