2021年12月6日月曜日

森高校「リビンングデザイン」授業支援⑥

2021/12/06 08:50-10:40

リビングデザイン後半は家具のデザインを体験します。その第1回の本日は、課題の概要説明とアイデアスケッチです。

・自分で使う家具をデザインしてみよう

今回の課題の趣旨は、「家具のデザイン:自分で使う道具として、家具をデザインしてみよう」です。今日を含めて5回分の授業時間で作品を完成させます。大まかなスケジュールは以下の通り。
12/06 (本日)課題説明/コンセプトメイキング
12/13 アイデアスケッチ/模型制作 
12/20 CNC見学
01/28 材料の切り出し、組み立て
02/04 塗装、完成・発表会


・課題説明
課題を進めるにあたって、以下のように説明しました。
今回の課題のテーマは「自分で使う道具として、家具を作ってみよう」です。課題を進めるにあたって、以下の三つの制約を意識してデザインしてみてください。

制約1:機能
「こんな家具を自分のそばに置きたい!」と、未来の自分の生活をイメージしてみてください。普段の生活で何か不便を感じていて、それを解決するのもいいでしょう。今使っている道具(家具)を、もっとこうなっていればいいのに、とか、こんな家具が増えたら自分の生活がこんなふうに変わるかも、といった未来のイメージを想像するのも良いと思います。いま、自分の居場所に欲しい道具は何ですか?

制約2:構造
○かたち:いきなり職人技の家具を作る、ということではなく、まずは体験として箱型の(板状の材料を組み合わせて形を作る)家具をつくってみましょう。SDG'sも視野に入れて、金具はできるだけ使わずに木を組み合わせることで支えられる形を考えてみます。
○加工:NC加工での製作を体験して欲しいので、直線的にカットするだけでなく、ほぞ穴を使ったり、曲線を使った形状などに挑戦してみてください。
○構造:実際に使うことが前提です。まずしっかり自立すること、目的の機能をしっかり果たす、想定している力を加えても崩れない・壊れない構造を考えてください。

制約3:材料
生徒一人ひとりに提供される材料は、ドドマツの合板(910mm×1820mm、厚さ12mm)1枚です。この材料の範囲内でデザインしてください。どうしてもこの材料で足りない場合は、友達と調整して、余白分の材料を分けてもらうと良いでしょう。

※今回の課題の制約は、ほぼ授業運営上の都合から設定されています。本来は目的や予算、時間など、作りたいものを前提として決まってくるものです。ただ、制約は創造の源なので、この課題の枠組みを利用して、楽しく作品作りをしてもらえればと思います。

・表現活動
課題説明ののち、さっそくそれぞれのデザイン活動に入りました。以下のステップで、デザインを考えていきました。
step.1  コンセプトメイキング
(もう十分に満たされているかもしれませんが)今の自分の生活空間にもうひとつ、家具を加えるとしたら、何があればいいかを想豫してください。どんな家具(道具)をどんなところでどんなときにどう使うか、ことばで説明してみます。
配布したA4の紙に書いてみよう。
step.2 アイデアスケッチ
欲しい家具を自分が使っている場面を絵に描いてみます。家具はどんなかたち?どう使う?大きさは(人との比率)?写実的に描くのが難しくても、棒人間でよいので、未来の自分と道具の関係を視覚的に表現してみましょう。
配布したA4の紙に描いてみよう。
※1と2は、順番が逆でも、行ったり来たりしながらでも、OKです。
step.3 かたちを描く
作りたい家具の形を、具体的に描いてみましょう。平面図(正面とか側面とか)でも、立定的な見取り図でもOK。描きやすい方法で表現しましょう。最後に寸法を入れてみてください。
step.4 部品を分けて描く
家具のスケッチをもとに、どのような部品に分ければよいかをイメージしてください。できるだけそれぞれの部品の比率を合わせて描きましょう。これも、最後に寸法を入れてみて、指定のパネルに入るかを確認しましょう。
※今日はフリーハンドで表現します。ラフスケッチでも、これくらいのところまで表現できると、他の人に説明(依頼するなど)したり、材料を自分で集めたりすることができるようになります。

生徒の皆さんは、普段このようなスケッチを描く機会はほとんどないと思います。ことばもスケッチも、用紙の隅っこに薄く小さく描いているのが印象的でした。このあたりも、少し練習の機会を提供してあげたいなと思うところです。

・コンセプト決定!?
それぞれ、作りたい家具のイメージはほぼ固まりました。次回は、これを模型で作って実現可能性を探ります。